【鎌ケ谷市】現在は一般公開されていない、鎌ケ谷市初の国の登録有形文化財を見学してきました。
2023年11月21日(火)に開催された「かまがやまなびぃ大学『澁谷家住宅の建物のはなしと見学会』~鎌ケ谷市の文化財に触れてみませんか~」に参加することができ、貴重なお話を聞かせていただきました。ありがとうございます。 今回、まなびぃ大学で取り上げられた澁谷家です。令和2年8月17日に鎌ケ谷市内では初めて、澁谷家住宅の主屋、米蔵、門と、丸屋、丸屋離れの建造物5件が、国の登録有形文化財に登録されました。丸屋、丸屋離れは、木下街道沿いにあります。現在はいずれもまだ未整備の為、通常は公開されていませんが、今回まなびぃ大学の開催にあたり、応募で当選した方に公開されました。
澁谷家住宅の見学に先立って、鎌ケ谷市文化財審議会の金出ミチル先生による講演が北部公民館で行われました。金出先生のお話は、文化財の概要から、日本の住宅に伝わる土間、座敷、中の間、奥の間という様式が共通しているお話など、初心者でもわかるようにやさしくお話してくださいました。こちらの写真は澁谷家住宅内の太い梁が井桁状に組まれている様子です。澁谷家を支えるりっぱな太い梁を見ることができます。かやぶきで作られた澁谷家ですが、現在は、内側からは茅葺が残っている様子が確認できます。屋根は瓦の形をした金属の板で覆われています。
土間は踏み固められて固く、以前はかまどなどが置かれていた場所も見学することができました。写真は、家の中に上がる段差に作られている靴入れです。現在の下駄箱、シュークローゼットなどのようなものが、機能的に作られていることに、土間という昔の建築様式の便利さがうかがえます。
古い壁掛け時計は、どこかで時間が止まっているようでした。20年ほど前までは生活の場所として使われていたこともあり、ところどころに住まわれていた時代がうかがえるものが残っています。
何気ない所にも、装飾が施されています。こちらは長押(なげし)と呼ばれる和室の壁をぐるりと囲む化粧部材に打たれた釘を隠す釘隠しと呼ばれるものです。
物入れの扉の引手部分がひょうたんの形になっていたり、と細かい所にも色々な遊び心が感じられますよね、と先生に教えていただきました。お家の歴史は家族の歴史といわれるそうです。お嫁さんを新しくお家に迎える時に改装や改築をしたり、子どもが生まれた時に増築をしたりしている、といったことが研究されているというのは興味深いですよね。
澁谷家の門です。鎌ケ谷市内の中沢から移築されたと伝わっているそうです。昭和30年代の写真にも写っており、街道につながる通路、その通路から見える門と奥の主屋は、長い間変わらない景観です。市の担当者によると「整備等を終えてから令和9年度の公開を目指し、事業を進めています。普段は閉鎖していますが、来年度以降も定期的に見学会を開催していくので、実施の際は是非お越しください。」とのことでした。
こちらは青空に映える米蔵です。令和元年の台風被害により、土壁がはがれたことにより、上側は木の板で覆われています。壁から飛び出している牛梁(うしばり)と呼ばれる太い梁が立派で、しっかりした造りであることがうかがえます。
澁谷家が面する鮮魚街道と呼ばれる昔からの道です。この街道沿いには、松戸はこっちというような道標も多く残されているそうです。この道を通って、鎌ケ谷に色々なものが運ばれてきていたと思うと、残されている道標も気になりますね。これからも大切に保管や管理が進み、また見学できる日が楽しみですね。
鎌ケ谷市初の登録文化財澁谷家住宅、門、米蔵があるのはこちら
(現在、通常は一般公開されていないので入る事はできません。)↓