【鎌ケ谷市】2025年度から市内中学校の制服が新しく。気になる新仕様についてご紹介します。
鎌ケ谷市内には5つの公立中学校があります。現在、制服は5つの学校それぞれに異なりますが、2025年度より統一した鎌ケ谷市中学校標準服(以下、標準服)への移行が予定されています。文中内の制服の表記は、これまでの制服、そして一般的な制服を指すものとして使用します。年末が近くなり、例年、新入生の採寸が始まる時期が近付いた現時点での疑問を、身近な中学生や小学生のお子さんを持つ方からお寄せいただき、鎌ケ谷市教育委員会、にてお伺いしてきました。展示されている制服の撮影には、道野辺小学校様、株式会社スポーツCV様にご協力いただきました。ありがとうございます。
鎌ケ谷市内中学校の制服の現状
鎌ケ谷市内の中学校では、冬服では男子は学ラン、女子はセーラー服を採用しています。夏服は、ワイシャツにスラックス、スカート(ジャンパースカートも含む)がこれまでのスタイルでした。鎌ケ谷市を含む東葛地域には古くから校内着の習慣があり、学校への登下校、試験期間、高校受験や説明会などでは基本的に制服の着用が必須ですが、通常の学校生活では、体操服に着替えて一日の生活を過ごすことが通例になっています。
近年の温暖化などによる気温の上昇により、暑い時期が以前より長くなっているにも関わらず、制服等の素材、基本的な仕様は伝統的なものが採用されてきました。また、多様化する現代において、市内の小学校はすべて私服なので、自分の性別で洋服に対する縛りがなかったのに、中学校入学に伴い、性別での制服の着用に制約があることに悩む生徒も増加していました。併せて、少子化に伴い、市内の中学生の数も減っており、5つの中学校それぞれの制服の各サイズの在庫を抱えることは、制服を取り扱う業者においても負担となってきていました。こうしたことが背景となり、2023年10月に、新しい制服への移行や希望などを保護者、生徒共にアンケートを実施し、様々な寄せられた声を反映し、新しい制服への準備が進められてきました。
新しく実施される鎌ケ谷市中学校標準服の概要
標準服の冬服はブレザー、ワイシャツ、ネクタイ、リボン、スラックス、スカートで構成されています。
標準服の夏服は、紺ポロシャツ、白ポロシャツ、スラックス、スカートで構成されています。冬服、夏服共に、男女のアイテムに制約はなく、女子のスラックス着用、男子のスカート着用も可能です。夏服の胸の部分には、市内中学校生徒会などの提案も採用され、鎌ケ谷市の頭文字「K」をデザインした刺繍が、5校それぞれのカラーで入ることが決まっています。
標準服への疑問について
ここからは、標準服への疑問点についてお答えいただいた内容をご紹介します。やはり、気になるのは、これまでの校内着の習慣に伴うもので、体操服を制服の下に着る習慣は変わらないのか? という質問には、清掃活動などにも熱心に取り組む事情もあり、学校生活を校内着で過ごす習慣に、変更予定はないとのことです。ただ、標準服の下に、体操服を着ることは必須ではなく、下着が透けたりすることや、自転車通学の生徒への配慮として、体操服を着用するよう指導されているとのことです。ただ、着替えのスペースなどは設置を進めているが、すべての学校に十分なスペースが確保されている訳ではないため、それなら、下に着ていく方が校内着への着替えがスムーズという考え方になる方が多いのが現状のようです。
着用について、ネクタイなどをそれまで小学校で楽な服装からいきなり、中学生になってしめるのは、着用に時間がかかることを心配する声も聞かれました。ネクタイは締めるタイプではなく、付けるだけのタイプが予定されています。詳細については、制服採寸等の業者からの案内をご参照ください、とのことです。学校ごとに指定の色が市のHPでも紹介されています。制服のスカートには、ファスナーで開閉する部分の近くにポケットもあるそうです。
素材についても、これまでの学ランやセーラー服は洗濯やお手入れの負担が大きいという声もあったことから、標準服は乾きやすいポリエステル100パーセントの生地が使われるとのことで、これまでよりも暑さもしのぎやすくなるそうです。急に降り出した雨に濡れてもニオイが気になることへも配慮されています。
今回、標準服への移行に伴い、購入ではなく、3年間を通してリースで利用できるシステムも新たに導入されます。このシステムは現時点では、利用期間にかかわらず3年間での料金設定となっているそうです。成長に伴うサイズ変更についても、リース期間内で1度変更が可能とのことです。在校生などもリースを利用できますが、1年区切りの料金設定は現時点では設定されていないそうです。詳細については、取り扱い業者にお問い合わせください。
現在の学ラン、セーラー服の移行期間については、現在、2027年(現在の小学4年生の入学時)までとされています。標準服への移行に伴い、両方のタイプを販売店で揃えることは、在庫などの負担が大きくなることから、これまでの学ラン、セーラー服の新規での購入はできなくなります。
新旧の同時着用について、現在の在校生が着ている夏服のワイシャツのみを利用して、標準服のスラックスやスカートと着用することも可能です。また、新しいポロシャツを購入して、現行のスラックス、スカートと合わせることも可能です。学校によっては、夏服もジャンパースカートを採用している学校もあり、着用は自由ですが、見た目が異なるため、検討中のこともあるそうです。
制服に関する質問の中には、私服でもいいのでは? という意見も寄せられました。制服については、県内の他の地域で、いったん私服が導入された例があるそうです。しかし、受験などの際に、他の地域ではほとんどの学生が制服で受験することもあり、また制服に戻ってしまったそうです。高校でも多くの学校が制服を採用していることもあり、私服の導入は家庭への経済的負担も考慮し、現状では予定はないとのことでした。
鎌ケ谷市内では、鎌ケ谷市社会福祉協議会にて、制服のリユース事業も以前から行われています。こちらの事業についても、現時点では継続して行われるということです。
新たな動きも
ここまで、新設される標準服について紹介してきましたが、体操服についても新しい動きが導入されていることもお聞かせいただいたので、併せてご紹介します。現在、市内中学校では、着用する体操服にも学年別のカラーが採用されており、年齢が近い兄弟がいる場合も、学年カラーが異なるため、お下がりが利用できません。
鎌ケ谷市立第三中学校では、今年度創立50周年を迎えるのをきっかけに、この体操服への学年カラーの使用が廃止され、3学年共通の体操服が採用されました。この体操服の変更をきっかけに、素材も乾きやすい素材、扱いやすい軽い素材が導入されたとのことです。他の学校も一気にこの動きが進むわけではありませんが、見直すタイミングに、生徒が過ごしやすく、保護者も取り扱いやすいものという視点で変更が進むのは嬉しいですね。
鎌ケ谷市内中学校の新入生への標準服の採寸は、2024年11月中旬ごろから順次案内が届き、12月頃から採寸がスタートする予定とのことです。新しい標準服への移行で、生徒たちが学校生活を快適に過ごせるようになることを願っています。※掲載した情報は、取材時点のものとなります。
お話を聞かせていただいた、鎌ケ谷市教育委員会はこちら↓